冬と春はパンジーとビオラが庭や花壇の主役になる季節ですね。種から育てたり、苗を買って植え付けたりする方も多いはず。こちらの記事では、パンジーとビオラの育て方をお伝えし、種まきの時期や植え付け方法、普段の手入れの仕方なども解説していきます。上手に育てて、たくさんの花を長く咲かせましょう!
パンジー・ビオラとは?
パンジー・ビオラ

科・属名 | スミレ科 スミレ属 |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 一年草 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
パンジー・ビオラの育て方〜年間スケジュール〜

パンジー・ビオラの特徴

パンジーとビオラは学校で育てたり、公園や道路脇に植えてあったりと、ポピュラーな花で人気があります。
冬と春の代表的な花で、寒さに強く手軽に育てられます。さまざまな花色があるのも人気の理由です。パンジーとビオラは冬の寒々しい花壇に彩りを与え、ガーデニング初心者にとっても育てやすい花と言えるでしょう。
また、パンジーとビオラの種類は非常に豊富。園芸家の間で盛んに交配され、今では数百もの品種があると言われています。パンジーとビオラの区別は難しいこともありますが、一般的にパンジーは全体的に大きい特徴を持ち、花のサイズが5cm以上のものを指す場合が多いようです。一方、ビオラは小ぶりで可愛らしく、花付きが優れている特徴を持ちます。
パンジーとビオラの性質上、暑さに弱いので夏には枯れてしまいます。苗が出回る10月ごろから5月までの間、開花期を精一杯楽しみましょう。
パンジー・ビオラの種類
よく咲くスミレ
名前の通りに花付きが大変優れている種類です。寂しげな花壇を賑やかに彩ってくれるでしょう。
ヨコハマセレクション
ヨコハマセレクションはどの色合いも独特で人気のブランド。濃淡や色の変化も楽しめます。フレアブルー、ミスターダンディ、花まつり、フェアリープリンセスなど、さまざまな種類があります。
ムーランルージュ
花茎が長い特徴を持つムーランルージュ。かわいいフリル咲きと、花色のグラデーションが美しいです。寄せ植えや花壇の主役におすすめ。
パンジー・ビオラの育て方

それではさっそく、パンジー・ビオラの育て方を紹介します。
環境

日光によく当たる場所で育てよう
パンジーとビオラは、日当たりのいい場所で栽培することが上手に育てるポイントです。
日に当たることで、花付きがよくなり、成長も盛んになります。
雪や霜は大丈夫?
いくら耐寒性があるといっても、「雪や霜に当たると枯れてしまうのでは?」と疑問に感じる方も少なくありません。
パンジーとビオラは雪や霜に当たると、花がうなだれてしまいますが、心配はいりません。気温があたたかくなると、枯れることなく元気に回復します。
パンジーとビオラを冬越しさせようと、家の中に取り込んでしまう方もいますが、温度や日照不足により、かえって株が徒長するケースもあります。
寒さや日光に当てながらしっかり育てることで、充実した株を育てられるでしょう。
用土

団粒構造を作ることがポイント
パンジー・ビオラに適した土は、保水性、排水性、通気性に優れたものを使いましょう。ガーデニング初心者は、市販の培養土を使うと簡単です。
地植えする場合は、団粒構造のある土作りを目指すと、土の中で微生物が増え、根の張りがよくなり、長く花が咲いてくれるでしょう。腐葉土や堆肥、籾殻くん炭(もみがらくんたい)などを土に混ぜると効果的です。
水やり

土の表面が乾いたらたっぷりあげる
パンジー・ビオラを鉢植えで育てている方は、土の表面が乾てきたらたっぷりと水やりをしましょう。鉢底穴から水が流れ出るまで、しっかりと与えます。気温が暖かくなってくると、水が乾きやすいので気をつけてくださいね。
地植えで育てている方は、苗を植え付けて約1ヶ月くらいの間に限り、ときどき水やりをしてあげるといいでしょう。その後は降雨だけで問題なく育ちます。
肥料

緩効性化成肥料は2〜3ヶ月に1度追肥を
苗を植え付けるときは、培養土や土に元肥として緩効性化成肥料を混ぜておきましょう。
また、パンジー・ビオラは花付きが良いため、肥料切れをすると花があまり咲かなくなったり、葉色が黄色くなったりします。花を長く咲かせるためには、追肥は重要なポイントです。
緩効性化成肥料は、肥料効果が長くじっくり効くので、2〜3ヶ月に一度のペースで追肥を与えてください。
液体肥料は7日〜10日に1度のペース
一方、液体肥料は速効性がありますが、肥料効果は一時的です。液体肥料を与えるなら、7日〜10日のペースで、水で希釈したものを与えてください。
葉色が黄色くなったときは、肥料切れの合図。このような異変が見られたら、すぐに肥料効果が現れる液体肥料を与えましょう。
植え付け

暑さの心配がなくなったら苗を植え付けよう
パンジー・ビオラは暑さに弱い草花です。気温が高いと「せっかく植えたのに枯れてしまった」という声も少なくありません。なるべく暑さの心配がなくなってから、植え付けるようにしましょう。10月〜11月くらいになると気温が下がってくるので、安心して植え付けができますね。
種まきは9月がおすすめ
パンジー・ビオラは大体20度前後で発芽するので、生育もしやすい9月くらいが種まきにおすすめです。
セルトレイやプランターに種まき用の土を入れてから、種をばらまきます。薄く覆土をしたら、底面から水を吸わせて水やりをします。発芽するまでは、日陰の風通しのいい場所で管理しましょう。
発芽後は半日陰に移動し、間引きをしながら育てます。本葉が4枚になったらポットへ移植するタイミング。約1ヶ月くらいはポットで育ててから、定植させましょう。
剪定

摘心で株のボリュームアップ!
種まきで育てた苗や購入した苗は、摘心をして株のボリュームをアップさせましょう。ハサミを使って、2〜3枚程度の葉を残し、茎をカットします。すると、約1ヶ月後には枝が分岐し、花数も自然と増えて株張りが良くなります。上手にふんわりと育てるためにも、ぜひ摘心を行ってくださいね。
間延びしたら切り戻しをしよう
パンジー・ビオラの茎が長くなったり、柔らかくなったりしていませんか?この状態は「間延び」と言います。間延びしたままだと、株が倒れたり弱ったりし、花付きも悪くなってしまいます。春まで長く育てるためにも、切り戻しをしてリフレッシュさせましょう。
脇芽が出ているところを残して剪定しますが、なるべく低い位置で剪定することをおすすめします。全体を切り戻し、新しい葉を育てましょう。
手入れ

花がら摘みが長く咲かせるポイント
咲き終わった花は、種をつけないように早めに摘み取ります。また、花茎はそのまま残ってしまうので、花がら摘みをするときは花茎もしっかり取り除きましょう。
種をつけると株の栄養が取られてしまい、パンジー・ビオラの生育が悪くなることもあるため注意します。大変かもしれませんが、パンジー・ビオラの花を長く咲かせるためにとても重要なポイントです。丁寧に育てることで、花も必ず答えてくれるはず。
葉の手入れも欠かさずに
黄色くなった葉は病気の原因。そのままにせず、手で摘み取ってください。枯れ葉がもとでカビを発生させたり、腐らせたりするリスクもあるため、株元などもよく確認して手入れをしましょう。
病気・害虫

灰色かび病に注意しよう
パンジー・ビオラは灰色かび病にかかりやすいので、加湿や蒸れに気をつけて育ててくださいね。日向の風通しのいい場所で育てると、灰色かび病が発生しにくくなります。鉢植えで育てている方は、雨の日に軒下に取り込んであげると有効です。
アブラムシ・ダンゴムシ・ナメクジなど
気温があたたかくなってくると、アブラムシやナメクジなどが発生しやすくなります。ダンゴムシはパンジー・ビオラの花を食べてしまうことも。害虫を見つけた際には早めに駆除することを心がけましょう。
まとめ

パンジー・ビオラは開花期の長い花です。上手に育てれば秋から春の時期まで、庭や花壇にたくさんの花を咲かせてくれます。今回紹介した育て方のコツやポイントを押さえて、庭や花壇を華やかに彩りましょう。