バジルの育て方|おすすめの種類6選と栽培方法をポイント別に紹介

室内に映える青々としたバジルガーデニング

バジルは家庭菜園で簡単に育てられるハーブの一種です。とはいえ、「育て方がわからない」と戸惑っている方も多いでしょう。こちらの記事では料理に活用できるおすすめの種類のほか、育て方や種まき・挿し木の増やし方などポイント別に解説。プランター、水耕栽培、ベランダ栽培など、それぞれの家庭に合う育て方でバジル栽培を楽しんでください。

バジルとは?

バジル

室内に映える青々としたバジル
科・属名シソ科 メボウキ属
園芸分類ハーブ
形態一年草
耐寒性弱い
耐暑性強い

バジルの育て方〜年間スケジュール〜

バジルの特徴


バジルは爽やかな香りが魅力的なハーブの仲間です。ピザやパスタ、ジェノベーゼソースなど、イタリア料理には欠かせないハーブで、料理に彩りを添えるのにも役立ちます。

そんなバジルの育て方は家庭でも簡単に育てられるほど栽培がしやすいので、家庭菜園には特におすすめできます。屋外での栽培はもちろん、ベランダや室内栽培、水耕栽培など、さまざまな育て方で楽しめるのも生育旺盛なバジルならでは。

また、バジルはトマトとの相性がよく、コンパニオンプランツとしても知られています。トマトの生育の促進や害虫対策、風味を向上させるといったサポート的な役割を果たすので、興味があればぜひ相性のいいトマトとバジルを一緒に育ててみてはいかがでしょうか。

<コンパニオンプランツとは?>

コンパニオンプランツは共栄作物、共存作物とも呼ばれており、異なる植物を近くに植えることで、いい影響を与え合う植物のことを言います。

バジルのおすすめの種類6選

バジルのおすすめの種類を厳選しました。種類によって香りや味などが異なるので、下記を参考に自分の好みに合うバジルを見つけてください。

スイートバジル

スイートバジルはバジルの種類の中でもっとも代表的な種類です。「バジル」といえば一般的にはスイートバジルのことを指すので、普段食べているバジルを育てたい方はスイートバジルを選びましょう。イタリア料理やジェノベーゼソースを作りたい方にはぴったりの種類です。

レモンバジル

その名の通り、レモンのようなシトラス系の香りが特徴のバジルです。魚や鶏肉の料理との相性がよく、ハーブティーにもおすすめできます。

ブッシュバジル

ブッシュバジルはスイートバジルよりも香りが強い特徴を持ちます。一枚一枚の葉が小さく、こんもりとドーム型に育つ種類です。草丈が30cmほどとコンパクトにまとまることから鉢植え栽培がもっとも適しており、室内で楽しむのもおすすめ。ただし、蒸れやすい種類なので、風通しよく育てるように注意しましょう。

ホーリーバジル

インドではホーリーバジルが「不老不死の霊薬」とも呼ばれ、薬草として重宝されています。タイ料理やエスニック料理などで使われることが多く、スパイシーでほんのり甘い香りが特徴です。寒さには若干強いため、長く収穫できるのがメリット。

シナモンバジル

甘いシナモンの香りが特徴のシナモンバジル。花と花茎が少しピンクに色づく種類であり、葉に艶があまりない点もスイートバジルとの違いです。スイーツやシロップ、ハーブティーなどにおすすめ。

タイバジル

タイバジルの葉は細くて艶がなく、ギザギザしていないことが特徴に挙げられます。甘く爽やかな香りはタイ料理やエスニック料理のほか、グリーンカレーにもおすすめです。

バジルの育て方

いっぱい広がったバジルの苗

バジルの育て方を環境、用土、水やりなど、ポイントごとにまとめました。これからバジルを育てる方は必見です。

環境

おしゃれなカップに植えられたバジル

日当たりと風通しのいい場所で

バジルは日当たりと風通しのいい環境をとても好みます。しかし、夏の直射日光は葉焼けを起こすことがあるので、鉢植えやプランターは半日陰〜日陰の環境で管理したり、室内栽培ではレースのカーテンなどで遮光したりといった工夫が必要になることもあります。基本的には日光が当たりと風通しのいい環境で育て、葉焼けが気になる場合は半日陰で育てるようにしましょう。

生育温度は20度以上を目安に

バジルに適した生育温度は20度以上が必要になるため、5月ごろの気温が高くなる時期から活発に育ちはじめます。種まきは4月〜6月が適期とされていますが、バジルの種の発芽温度は20度〜25度と比較的高いので、気温が高くなってから種まきをする方が確実でしょう。発芽率をアップさせるためにも、地域や気温に合わせて種まきをするよう心がけてください。

なお、霜に弱いバジルは地植えでの冬越しはできません。そのため、翌年も育てるには種を採取しておき、春に種まきをして育てる方法が一般的です。ただし、晩秋には室内に取り込んで温かい場所で管理すれば、冬越しも可能です。

水耕栽培の管理方法は?

バジルは生育旺盛なので水耕栽培で育てることもできます。水耕栽培のメリットとしては、土で汚れたり虫が付いたりする心配がなく、水にバジルの茎をつけておくだけなのでコストがかからないことや、手入れが少ないことが挙げられます。

バジルを水耕栽培で育てる場合は、日当たりのいい場所で管理し、水をこまめに変えることが必要です。また、水だけでは養分が補えないので、液体肥料を与えることもポイントです。

用土

土から元気に育っているバジル

肥沃な土作りを心がけて

バジルの土は保水力と排水性があり、有機物に富んだ土作りを目指してください。

地植えで育てる場合は、堆肥や腐葉土をすき込んでおきます。また、バジルは酸性土を嫌うため、あらかじめ苦土石灰や消石灰などを撒いて耕しておくと、土が中和されて生育がよくなります。

鉢植えやプランター栽培では、市販の培養土がおすすめ。自分で土をブレンドするなら、赤玉土を7割、腐葉土を3割で混ぜ合わせて使うと、バジルに適した土作りができるでしょう。バーミキュライト1割、赤玉土6割、腐葉土3割の割合で作るのもおすすめです。

水やり

雨に濡れたバジルの葉

水やりはバジルを美味しく育てるポイント

水やりはバジルの育て方において特に重要なポイントです。乾燥に弱いバジルは水切れを起こすと下葉が枯れていき、強い水切れを起こした場合はそのまま枯死してしまうこともあります。また、葉が硬くなってしまう原因にもなるので、夏は要注意です。

以上のことから、鉢植えやプランター栽培では土の表面が乾いた時に鉢底から水が流れ出るまでしっかりと水やりを行います。夏の高温期は朝か夕方の涼しい時間帯に水をたっぷりとあげてください。

地植え栽培では根が張るまでの間、乾燥に気をつけながら水やりをします。植え付けて約1ヶ月もすれば降雨だけでも問題なく育ちますが、夏の間や雨が降らない日が続く時、バジルの茎や葉が萎れている時は、たっぷりと水やりをして乾燥に注意してください。

肥料

バジルとガラスの入れ物

定期的に肥料を与えよう

バジルは肥料を好みます。生育期は定期的に肥料を与えて、肥料切れを起こさないようにサポートすることが重要です。また、葉色が薄くなったり、黄色くなったりしたときは肥料切れのサイン。これらの合図が見られたら、まずは速効性のある液体肥料を与えて養分を補ってください。

元肥には鉢植え、地植えともに緩効性肥料を与えます。追肥は鉢植えの場合、約2ヶ月に1回のペースで規定の量の緩効性肥料を与えてください。液体肥料を使う場合は1週間〜10日に1回のペースを目安に水で希釈して与えます。

バジルにはハーブや野菜専用の肥料がおすすめ!

バジルには葉の生育をサポートする窒素が多めの肥料がおすすめです。ハーブ専用の肥料や野菜用の肥料を選ぶと便利に使えるでしょう。与える際には規定の量に注意してください。

植え付け

テラコッタ鉢と熊手のガーデンツール

気温が十分高くなった頃に植え付けよう

植え付け時期は5月〜6月が適しています。種まきから育てている方は、寒さが気にならなくなった頃を見計らって植え付けてください。

鉢植え・プランターへの植え付け手順

  1. 鉢底石を鉢底やプランターの底に敷く。
  2. 鉢やプランターの中へ、高さ1/3程度を目安に用土を入れる。
  3. バジルの苗を入れて、用土で高さを調節しながら植え付ける。ウォータースペースを考慮して植え付けるのがポイント。
  4. 水やりをしたら完成。

※バジルは気温が高くなるにつれて大きく成長します。植え付け間隔は20〜30cmほどあけて植え穴をつくると、風通しよく育てられるでしょう。

剪定・切り戻し

バジルの先端に咲く白い花

花を咲かせないことがポイント

美味しい葉を育てるには、花を咲かせないことが大前提です。花を咲かせてしまうと葉が硬くなるほか、バジルの味も落ちてしまいます。種を採取するときは別ですが、収穫するために育てている方は蕾がつく前に剪定をしましょう。剪定した葉はぜひ料理に活用してみてください。

大きくなったら一度切り戻し剪定をしよう

生育期を迎えて一定の大きさに成長したバジルは、やがてとう立ちします。とう立ちしたバジルは味や葉の収穫量が下がってしまうので、一度切り戻し剪定をして株をリフレッシュさせましょう。切り戻し剪定は、株の形が乱れたときや梅雨入り前の時期に行うのもおすすめです。

切り戻し剪定の方法はバジルを半分くらいの高さまで大胆に剪定をします。このとき、茎に葉が残るようにカットすることが大切です。葉がなくなってしまう箇所からは脇芽が出ずに枯れてしまうので、必ず葉を残すように剪定をしてください。

手入れ

先端に花が咲いたバジル。もう少しで種ができる時期

摘芯で葉の収穫量アップ!

葉の収穫量をアップさせるためには、先端の茎を摘芯をして脇芽を成長させることが大切です。バジルの苗が若いうちに摘芯をすることで、葉が多く茂りボリュームのある株になります。ジェノベーゼソースにするなど、とにかく葉を多く収穫したい方は、こまめな摘芯で葉をどんどん茂らせていきましょう。

増やし方

種まきでたくさん芽が出たバジルの苗

種まきでの増やし方

バジルは種から簡単に発芽するので、たくさん栽培したい方は種まきでの増やし方がおすすめです。種の発芽には20度以上の温度が必要なので、4月〜6月くらいの時期に種まきをしましょう。また、バジルの種は好光性種子であり、発芽には光が必要です。そのため、種まきをした後は土をかぶせずに、そのまま管理します。種まき後の水やりは種が流れてしまうリスクがあるので、セルトレイやポット、プランターなどは底面から水を吸わせていくといいでしょう。また、霧吹きで土の表面を湿らせる方法もおすすめです。

種の収穫方法

バジルが育ち、やがて種ができる

バジルの種は、花が咲いたあとそのまま放置しておくと、やがて茶色くなっていきます。種の部分が完全に茶色くなったら茎ごと剪定をします。種は茎についた房の部分に入っているので、新聞紙やティッシュペーパーを広げて、一つずつ房から種を出しましょう。収穫したバジルの種は保存袋などに入れて、冷暗所で保管します。

挿し木での増やし方

バジルは挿し木でも簡単に増やすことができます。挿し木での増やし方は、まず新しい脇芽を10cmほどの長さにカット。次に、葉からの蒸散を抑えるため、葉を2〜3枚だけ残して他は摘み取ります。最後に、湿らせた清潔な用土へ挿し木をして、風通しのいい日陰で発根するまで待ちましょう。約1ヶ月もすればしっかり根が発根しているので、ポットや鉢に植え替えをし、日向で管理してください。

挿し木には発根促進剤がおすすめ!

発根促進剤はその名の通り、植物の発根をサポートするアイテムです。挿し木は失敗も多いので、成功率を上げるためにも発根促進剤を利用して増やすのがおすすめです。メネデールは植物の活用剤として人気があり、発根促進剤としても活用できます。使い方は小瓶などに100倍に希釈したものを用意し、切り取ったばかりの挿し木を入れて水上げをします。約2時間ほど浸したら土に挿し木をして完了です。

病気・害虫

太陽の光を浴びて美味しそうに育ったバジル

アブラムシ、ハダニ、バッタなど

バジルには害虫がつきもの。アブラムシやハダニといった小さな害虫のほか、バッタやヨトウムシ、ナメクジなどの食害にもあいやすいハーブです。無農薬で育てるためには、葉が食害されていないか、虫の糞が落ちていないか、葉の裏を見て虫が付いていないかなど、毎日チェックすることが大切。害虫を発見した際には、アブラムシやハダニなどが大量発生する前に対処し、大きい害虫は捕殺して対処しましょう。予防策としては防虫ネットを張るのもおすすめ。室内で育てる水耕栽培なら、害虫の心配もなく育てられるでしょう。

根腐れ、灰色かび病、うどんこ病など

土が常に湿った状態にあると、根腐れを引き起こすことがあります。また、葉が密集したり、風通しの悪い環境であったりすると、灰色かび病やうどんこ病などの病気を発生させてしまうケースも少なくありません。バジルは水切れに弱い傾向にありますが、だからと言って水の上げ過ぎもNGです。水やりは土の表面が乾いたら与えること。葉が茂り過ぎていたら適度に剪定し、風通しをよくするなどして、病気の予防に努めてください。

まとめ

バジルの育て方や増やし方、種類などを紹介しました。

バジルは初心者でも簡単に育てられるハーブで、料理への活用方法も豊富です。おうち時間を家庭菜園などで楽しみたい方は、ぜひ美味しいバジルを育ててみてはいかがでしょうか。

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